写真の技術を紹介したりする場合に、レンズのパースや望遠レンズの圧縮効果を紹介しているのがあります。
望遠レンズの圧縮効果を利用して背景を整理しよう、など。
望遠レンズだからってそんなものは、無いです。
レンズによって圧縮効果は変わりません。
広角レンズでも方法次第で圧縮効果は出せます。
「背景ー被写体ーカメラマン」
上記の距離が同じなら、パースは変わりません。
この写真は、16mm・24mm・200mmで撮影した画像です。
トリミングしてみると、背景の大きさが同じなのが分かると思います。
広角レンズで
「背景ー被写体ーカメラマン」の距離がそれぞれ「1」のとき
望遠レンズで被写体を同じ大きさで撮るには
被写体ーカメラマンの距離が「10」になったとします。
そうなると相対的に「背景ー被写体」が「0.1」になります。
広角レンズの10倍ほど背景が被写体に近づいてるのと同様になります。
それで、圧縮した様な写真に見えるのです。
激坂などの写真
SNSで話題になる激坂なんかも望遠レンズで坂の頂点と下の距離を相対的に縮めているので激坂に見えます。
もし、近くで撮影すると距離が相対的に伸びて緩やかに見えます。
これは、Googleマップでも確認出来ます。
遠くからの写真では急な短い坂に見えて、近くからだと緩やかな長い坂に見えます。
広角レンズのパースも同様に相対的な距離なのですが、これは広角レンズしか出来ない理由があります。
単純に、望遠レンズで近づいても広く撮影出来ないから。迫力が出ません。
望遠レンズの特性で圧縮効果が出るのでは無くて、被写体から離れても大きく撮影出来るので圧縮効果が出る。
というのが正しい言い方です。
ただ、望遠レンズの圧縮効果というのは市民権を得たようなものなので、そのままでも良いと思います。
そんな細かい事を言いだしたら、バリフォーカルレンズなのにズームレンズと言っているのも、正しくしなければならないです。
望遠レンズだから圧縮効果が出ると理解して撮影するのと、圧縮効果の意味を理解して撮影するのとでは雲泥の差があります。
難しくないことなので、写真撮影の基礎として撮影に活かせば希望する写真が撮れると思います。